
当たり前の話ではあるが、土地は何でも良いという訳ではない。
人によって重要視するポイントが幾つもあると思う
自分が欲しかった土地の条件は、
全部屋南向きにできること
土地の広さ
駅まで徒歩15分圏内
近隣住民の雰囲気
上記が最優先となる条件だった。
なので、駅近で土地の南側の面が長いことが必須となる。
この条件で土地を探した結果、候補として上がったのは以下のような土地。
ABCの中で一番広い土地
部屋も全面南向きOK
駅まで徒歩30分
2面道路に接道
ABCの中で二番めに広い土地
部屋は全面南向きOK
駅まで徒歩12分
1面道路に接道
ABCの中で広さは最下位だが60坪以上
全面南向きの部屋の間取りは無理
駅まで徒歩17分
1面道路に接道
ABCの中で一番価格が安い
価格はA>B>Cの順となり、財布事情的にはCが一番良い。
次に気になるのは、土地の用途地域の設定がどうなっているか。
家造りを検討している方はすでに御存知の通り、土地には用途地域というのもが定められており、その設定次第で建物が制限を受けることになる。
用途地域とは以下の通り
第一種低層住居専用地域
低層住宅のための地域で、小規模な店舗、住宅、小中学校などが建てられる
第二種低層住居専用地域
主に低層住宅のための地域で、150m2までの店舗、小中学校などが建てられる。
第一種中高層住居専用地域
中高層住宅のための地域で、500m2までの店舗、病院、大学などが建てられる。
第二種中高層住居専用地域
主に中高層住宅のための地域で、1,500m2までの店舗、病院、大学などが建てられる。
第一種住居地域
住居の環境を守るための地域で、3,000m2までの店舗、事務所、ホテルなどが建てられる。
第二種住居地域
主に住居の環境を守るための地域で、店舗、事務所、ホテル、カラオケボックスなどが建てられる。
準住居地域
道路の沿道において、自動車関連施設などの立地と、これと調和した住居の環境を保護するための地域。
近隣商業地域
近隣住民が日用品の買物などをするための地域で、住宅、店舗、小規模の工場などが建てられる。
商業地域
飲食店、百貨店などの商業施設が集まる地域で、住宅、小規模の工場などが建てられる。
準工業地域
主に軽工業の工場、施設が立地する地域で、危険性や環境悪化が大きい工場などを除く殆どの建物が建てられる。
工業地域
どのような工場でも建設できる地域で、病院、ホテル、学校を除く住宅、店舗は建てられる。
工業専用地域
工場のための専用地域で、住宅、店舗、学校、病院、ホテルなどは建てられない。
候補となっている
Aは第一種住居地域。
Bは商業地域。
Cは近隣商業地域
となっているので、建築物の制限を見た場合、自分の建てる家としては特に制限を受けることもなく、どれも似たりよったりで然程気になる感じではない。
なので、土地を買うための検討事項として用途地域は外して考慮しても問題はない。
となるとやはりアクセスや全面南向きなどの条件を考慮してBが最優先候補地となる。
しかしながらこれが建物の予算という側面で大きな想定外を生むことに。
それが今回の記事の主旨となる「防火地域」の事。
先程挙げた用途地域以外にも、土地を購入する際に絶対に見ておかなければならない重要なポイントが、
防火地域・準防火地域
に該当するかどうかだ。
防火地域・準防火地域とは、都市計画法において建築密度の高い市街地を火災の危険から防除することを目的として定められた地域のこと。防火地域は、駅周辺の商業地や建築物が密集した火災のリスクが高い市街地に指定され、準防火地域はそれに準ずる地域に指定される。
つまり、防火・準防火地域に建築される建物が火災に対して弱い構造だった場合、火災発生時のリスクが高くなるため、同地域の建物は構造上厳しい制限を受けることになるといこと。
これは建物の価格に反映され、通常の地域よりも本体価格が高額になるということを指す。
しかも防火地域は準防火地域の比ではない価格に・・・
例えば自分の場合、候補となっているAの土地は、Bの最優先候補地と比較して土地の価格が1.5倍高いものの、防火・準防火のどちらにも該当しないため、建物を含めたトータル予算はBよりも低くなる。
ちなみに住友林業の場合、防火地域とそれ以外の地域で同じ建物を建てる場合、本体価格は1.5倍は違う(自分が知る限り)。
これ真面目に大きい。
価格が大幅にアップする理由としては、耐火仕様にするために以下のようなところが通常の仕様と異なる。
要は通常の建物よりも部材を2倍近く使い、かつボードの厚みも違うことから価格も上がるということ。
もちろんこの他にも、サッシや軒天、サイディングなどの仕様も耐火仕様で異なってくる。
土地を検討するときは、大概土地の価格ばかりに目が行きがちだが、実はこの辺を考慮しないと、トータルで考えた場合に予算オーバーだったなんてことがザラに発生するのだ。
自分の場合は、やはり利便性と重要視する項目、予算を考慮し防火地域であるBを購入することになったが、やはり本体価格が全体に占める割合がデカい。
デカすぎるのだ。
よって今回の記事は、土地は値段だけでなく用途地域や防火・準防火地域指定もよく見て検討する必要があるよということが言いたかった。
これから戸建を検討する人、検討中の人は、是非この辺も頭に入れてハウスメーカーや工務店と連携してほしいと切に願う。
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